こんにちは。もりじゅんです。
ここからしばらく「シナリオの作り方」について勉強していきたいと思います。
いわゆる脚本家というやつです。
超おもしろエンターティナー目指して頑張っていきます。
本日参考にするのは
『SAVE THE CATの法則』 著:ブレイブ・スナイダー、訳:菊池淳子
です。
この本でわかったことは以下の通りです。
- 面白いストーリーの発想法
- 面白いストーリーの構成
- 面白いストーリーを生む黄金のルール
面白いストーリーの発想法
面白いストーリーを作るために一番最初にすることは超面白いログライン作りです
ログラインとは、ストーリーを1行で表した文のことです。
たとえばこんな感じです。
猫型ロボットが黄色いポロシャツの少年と暮らす物語。
…ドラえもんですね。うん、間違いなくドラえもんです・・・
ただ壮絶につまらなさそうなのが問題です。
ここで超面白いログラインを作る4つの要素が登場します
- 皮肉をつくる。
- イメージの広がりがある。
- 観客と製作費が明確である。
- パンチの効いたタイトル
3と4は面白いストーリーより売れる映画を作るために重要な要素なので今回は1と2についてじっくり勉強します。
皮肉を作る
「皮肉」
- 遠回しに意地悪く相手を避難すること、そのさま。
- 期待していたことと違う結果になること。
長々と国語辞典を引用してみましたが、
どうやら期待通りにならないみたいです。あと遠回しの方がいいみたいです。
ここで皮肉のためにまず、何か期待しないといけなくなりました。期待させましょう。
ドラえもんの場合、こんな期待がありました。
期待: 「昼間によく風呂に入るマドンナに好かれたーい。」
間違えなく黄色ポロ少年の期待です。
喜んでこの期待を打ち砕かせていただきます!
「ドラえもん」のログライン例1:
黄色ポロ少年が猫型ロボットの力を借りて、昼間によく風呂に入るマドンナに好かれようとするが嫌われる話
・・・少しは面白そうになったのか?
遠回し感も入れてみます。
黄色ポロ少年があのお風呂少女に嫌われるパターンはこれしかありません。
「ドラえもん」のログライン例2:
黄色ポロ少年が猫型ロボットの力を借りて、昼間によく風呂に入るマドンナに好かれようと努力するが、間違ってマドンナの風呂に乱入してしまい、お風呂マドンナに嫌われる話
最初のログラインと比べたらよくなったはずです・・・
イメージの広がりがある。
「イメージの広がり」とはストーリーの想像がいろいろできて、全体像が見えてくることのようです。
つまり、ログラインには、読者が面白いことをいくつか想像してしまう情報をいれると良いようです。
この「いくつか」がポイントです。
一つしか想像できなかったらネタバレです。いくら内容が面白くても面白がってもらえません。
逆にログラインの読者が想像するストーリーやシーンからログラインを考えてみます。
シーンには、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なんで、どうやって)という要素があります。
この中で面白いパターンがいくつか想像できそうな要素はなんだろう?
と考えると
「なんで」と「どうやって」になる気がします。これはあくまで僕個人の意見ですが。
「いつ」、「どこで」、「誰が」、「何を」は断定的になりやすい情報であるため、想像しても広がりずらい気がするからです。
僕個人の意見を尊重して、今回は「どうやって」を想像させる情報を入れようと思います。
ドラえもんのログライン例2:
黄色ポロ少年が猫型ロボットの力を借りて、昼間によく風呂に入るマドンナに好かれようと努力するが、間違ってマドンナの風呂に乱入してしまい、お風呂マドンナに嫌われる話
これに「どうやって」を想像させる情報を入れます。
マドンナに好かれる努力はどんな努力?(方法?)
ここに「どうやって」を想像を広がらせる余白がありそうです。ログライン例2に新たに情報を加えることでマドンナに好かれる方法の方向づけをして想像しやすくします。
「猫型ロボットの力を借りて」だけでは曖昧で想像できません。ここに情報を加えて方向づけしてみます。
ドラえもんのログライン例3
黄色ポロ少年が未来から来た猫型ロボットの力を借りて、昼間によくふろに入るマドンナに好かれようと努力するが、間違ってマドンナのふろに乱入してしまい、お風呂マドンナに嫌われる話。
どうでしょうか?
「未来から来た」を足すだけでマドンナに好かれる方法が少し想像しやすくなったのではないでしょうか。
いろんなテクノロジーを使いそうで面白そう・・・と読者が思ったらこっちの勝ちです。
イメージの広がりを作るには「どうやって(方法)」や「なんで(理由)」の方向が決まるような情報を足すことがポイントのようです。
主人公を考える
見る側は主人公に注目し、自分を投影して共感します。
逆に言うと、主人公次第で見る側をストーリーにより引き込みやすくなります。
だからログラインをより面白くするストーリーに合った主人公を考えることが重要です。
その4か条がこちらになります。
- 設定された状況の中で一番葛藤があるか。
- 感情が変化するのに一番時間がかかるか。
- 楽しんでもらえる客層が一番広いか
- 原始的な動機をもって行動しているか
ストーリーで我々が見せられているものを考えるとこの答えにいきつくのはたしかに納得できます。
先ほどのドラえもんのログライン例3と照らし合わせてみます。
ドラえもんのログライン例3
黄色ポロ少年が未来から来た猫型ロボットの力を借りて、昼間によくふろに入るマドンナに好かれようと努力するが、間違ってマドンナのふろに乱入してしまい、お風呂マドンナに嫌われる話。
主人公:黄色ポロ少年 では全然物足りないことがわかります。
1、設定された状況の中で一番葛藤があるか。
葛藤が大変なものであるためには
黄色ポロ少年は
黄色ポロ少年の期待:昼間によくふろに入るマドンナに好かれたい
をとても叶えられないくらいのやつでないといけません。
後に猫型ロボットの力も借りることを考慮すると、
黄色ポロ少年+猫型ロボットの力<マドンナに好かれる
が成り立つくらいのモテないやつが適しています。
なので 「運動神経わるい」、「女心がわからない」、「勉強できない」・・・といったマイナス要素が並びます。
・・・だんだんと黄色ポロ少年が「のび太」っぽくなってきました
2、感情が変化するのに一番時間がかかるか。
ドラえもんのログライン例3において黄色ポロ少年の感情の変化とはどんな変化が考えられるでしょう。
何を決心するかから考えてみます。
<感情の変化案>
- お風呂マドンナに好かれるための行動を決心する
- 猫型ロボットの力を借りないで行動する決心をする
- お風呂マドンナをあきらめる決心をする
この感情の変化が起こりづらいキャラクターを考えると
- お風呂マドンナに好かれるための行動を決心する ⇒ 超ネガティブ
- 猫型ロボットの力を借りないで行動する決心をする ⇒ 怠け者
- お風呂マドンナをあきらめる決心をする ⇒ 諦めが悪い、マドンナのことがとても好き
これはもう「のび太」です!
3、楽しんでもらえる客層が一番広い ⇒ 小学生
も加えたら完全に「のび太」です。
因みに4、原始的な動機をもっているは皮肉をつくるための期待を作る過程で知らないうちにやっていました。
この過程を踏んでのび太を作るとのび太があのようなキャラクターである理由がわかります。
ドラえもんを面白くしてくれてありがとう、のび太。
まとめ
ここまでの面白いストーリー案を考える方法をまとめます。
面白いログラインを作る
<ポイント>
・皮肉を作る ⇒ 主人公の期待をつくり、その期待を砕く。
・イメージの広がりを作る ⇒ 主人公の行動の方法や理由がいくつか浮かぶような方向づけをする。
・主人公を考える ⇒ 大変な葛藤を持つか?、感情の変化は大きくなるか?、広い客層にうけるか?、原始的な動機を持つか?
以上が<面白いストーリーの発想法>として終わります。